リヤブレーキのホイールシリンダー分解

整備
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リヤブレーキのホイールシリンダー分解

リヤブレーキのホイールシリンダー分解及びライニング交換を行った際の作業記録となります。

作業を行った車両は以下です。

メーカー:スズキ
車両:ワゴンR
年式:平成12年
型式:GF-MC11S
エンジン型式:F6A

リヤブレーキのホイールシリンダー分解に至った経緯

左後輪でブレーキフルード漏れが発生していました。
ブレーキの効きが悪くなっていた様には感じていなかったので、わざわざ確認したという訳ではなく、別件で覗き込んだ際に気付いたレベルでした。
このままではブレーキフルードが無くなり、ブレーキが効かずに危険な状態となるので直ちに修理を行います。

ブレーキフルードの影響で塗装が剥がれていました。

作業内容

リヤブレーキ(ドラムブレーキ)の分解

タイヤを外すと、ドラムブレーキの中央にカバーが圧入されているのでマイナスドライバー等を隙間に入れて取り外します。

するとハブボルトのナットが出てくるので取り外します。
このナットには回転止めの為に、シャフトに加工された溝に向けてカシメが施されているので専用工具を用いてカシメを起こしました。
私が使用した工具は下記です。

メーカー:KTC
品名:ロックナットチゼル
品番:AS404

(類似工具も存在しており、ロックナットリムーバーなどの別名称で販売されているようです。)

ロックナットを外してドラムを取り外すと、中はブレーキフルードでベタベタな惨状でした。
漏れが発生している箇所であるホイールシリンダーのシールと、ついでにライニングを交換します。

ホイールシリンダーの分解・組付け

ライニングを押さえているスプリング×3本をテンションスプリングツール(スプリングフック)で取り外します。

そしてシューセットスプリング(ライニング中央の板バネの様な部品)を外すとライニングが外れます。
シューセットスプリングを取り外す際は、ラジオペンチなどで中央のシューセットピンを掴み、90°捻ると取り外せます。

サイドブレーキのワイヤを外します。

次にパイプが繋がっている部分のナットを外します。
ブレーキフルードが出てくるので下に受け缶等を置いておきます。

ホイールシリンダーを固定しているボルトを外します。

ホイールシリンダーを取り外した状態です。

取り外したホイールシリンダーを分解しました。
中にはフルードが残っているので気を付けて下さい。
両端のダストカバーを外すと、ピストンとスプリングが出てきます。
この車種だけかわかりませんがスプリングの外径が螺旋に沿って変化していましたが、組み付けはどちらでも良いそうです。
スプリングが潰れた際に重なり合わずコンパクトになる為のようです。

シールを外す時はシールピックを使用します。(先端の丸くなったマイナスドライバーの様な工具です。)

新品のカップキット(オイルシールとダストカバー)にグリスを塗って組み付けます。
オイルシールの組付けは固かったので苦戦しました。
取り付け方向があるので形状を確認してから組付けを行います。
その他も元の状態にして車体に組み付けます。

ライニングの分解・組付け

取り外したライニングはブレーキフルードでギトギトになっていました。

新品のライニングを用意しました。
写真の左に写っている自動調整機構は再利用するので、パーツクリーナーで綺麗に清掃しています。

部品が取り外された状態の車体本体側のブレーキ部はパーツクリーナー(ブレーキクリーナー)でブレーキフルードを綺麗に除去しておきます。

新品のライニングを元の状態に組み付けて、最初の状態に全て戻します。

その際シューセットスプリングの取り付けにはコツが必要です。
ラジオペンチでシューセットスプリングの溝を強く押し込み、シューセットピンの細くなった所まで来た際に90°捻り、溝とピンの首が引っ掛かればOKです。

自動調整部はマイナスドライバー等でギヤの嚙みこみ箇所を調整してドラムがはまり込むようにしておきます。

ドラムを取り付けて、中央のロックナット(新品が好ましいですが、私は再利用しました)を固定し、回転止めの為カシメます。

あとはサイドブレーキを何度も引き、ブレーキの当たりをつけます。

減った分のブレーキフルードを継ぎ足して、エア抜きを行います。

その後タイヤを取り付けて、確実にブレーキがかかる事を確認して完了です。

ブレーキフルードは塗装を強力に剥がしてしまうので、都度パーツクリーナーで確実に清掃を行いましょう。

以上となりますが、参考程度として頂き、作業は自己責任でお願い致します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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