車のオイル交換・オイルフィルター交換を自分で行う手順

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車のオイル交換・オイルフィルター交換を自分で行う手順

4ストエンジンの内部で循環しているエンジンオイルは、走行距離や経年によって劣化するため定期的に交換する必要があります。

4ストエンジンとは4ストローク1サイクルエンジンの略で、吸入・圧縮・燃焼・排気の4工程を1サイクルで行うエンジンです。

今回の記事では4ストエンジンのオイル下抜き交換とオイルフィルター(オイルエレメント)交換の作業手順を紹介します。

車両の紹介

メーカー:トヨタ
車両:マークⅡブリット(iR-S)
型式:TA-JZX110W
エンジン型式:1JZ-FSE〈D-4〉(2.5L)


作業内容

オイルを抜く前の準備作業

車両のジャッキアップ(全上げ、もしくは前輪のみ)が必要ですが本記事では割愛します。
今回は作業が見やすい様にピットでリフトアップして作業を行いました。

作業開始ですが、本車両のエンジンルーム底面にはカバーが付いていました。
底面カバーは、車種によって付いていたり無かったりします。

オイル交換のみであれば、カバーの開口からドレンボルトが見えているので、カバーを取り外さずに交換できます。

しかし、今回はオイルフィルター交換も行うので、カバーの取り外しが必要です。
カバーを止めているボルト十数個を取り外すとカバーが外せました。

カバーが無くなるとエンジンが丸見えになります。

オイル抜き取り・廃油回収作業

オイルパンの底面にあるドレンボルトを外すとオイルは抜けるのですが、空気の取入れがないとスムーズに抜けないので、まずは空気の取り込み場所を設けます。
作業は至って簡単で、オイルレベルゲージを途中まで引き出すことと、オイルキャップを取り外すだけです。

準備が出来れば車両の下部に潜ってドレンボルトを緩めます
使用するレンチのサイズは14mmか17mmのどちらかのパターンが多いです。
※間違えて他のオイルパン(ATF等)のボルトを外さない様に注意して下さい。

緩めば指でドレンボルトを取り外していきます。

暖気されたエンジンを止めた直後はエンジンオイルも高温になっているので火傷に注意です。
心配であればソケット等を使用すると少しは安全です。

また、汚れを拭き取る用途と、有事の際に指の冷却を行うためパーツクリーナーとウエスを手元に準備しておきます。

ドレンボルトを取り外すとオイルが勢いよく出てくるので、オイルを受ける容器を事前に準備し、オイルが出てくる場所に予め構えておく必要があります。

オイルを液体のまま受けると廃棄するのに困るので、廃油を吸収してそのまま廃棄することができる商品を利用すると便利です。(抜き取るオイルの量によって容量を合わせます。

オイルがほとんど出てこなくなったらドレンボルトを挿し込む準備をします。

ドレンボルトのパッキンは新品に交換します。
(左:旧 右:新)

パッキンを新品にしたドレンボルトを取り付けます。

トルクレンチを使用して規定値で固定します。
固定後はパーツクリーナーとウエスでオイルを拭き取ります。

オイルフィルター(オイルエレメント)交換作業

オイルフィルターの位置は車種によってバラバラですが、どの車もオイルパン付近にはあるので周囲を確認して見つけます。
当該車両はエンジン左側面にカートリッジ式フィルターが取り付いていました。

今回はカップ型オイルフィルターレンチを使用して取り外していきます。

オイルフィルターの中にはオイルが入っているので、取り外した瞬間に取付け面(オイルの通路)を上向きにして取り除きます。
この向きに付いている場合は、どれだけ瞬時に上向きにしても少しはオイルが垂れるので受ける準備を行っておきます。

パーツクリーナーでオイルを拭き取ります。

新品のオイルフィルターを準備します。
サイズは車種によって異なり、フィルターのメーカーによって型番が異なるので調査が必要です。

取付け面のOリングにオイルを塗っておきます。

オイルフィルターの側面に取り付けに関する注意点が記載されていました。

記載されている通り「シール面にガスケットが接触後、取付工具で3/4回転締め付け」を行います。

エンジンオイル投入作業

エンジンの種類によってオイルの投入量や種類(粘度)が決まっています。

このエンジンはオイルフィルター交換込みで約5.5L必要でした。
(オイルフィルターを交換しない場合は約0.3~0.5L少ない量となります。)

ドレンボルトとオイルフィルターの固定忘れがないことを再確認しておきます。
そしてオイルが溢れないことを確認しながら投入していきます。

投入が完了すればオイルレベルゲージとオイルキャップを閉めます。

オイル量確認作業

結論としては、オイルフィルター内にエンジンオイルを充填するためにエンジンを数秒間かけた後エンジンを停止し、オイルレベルゲージを一旦引き出して先端に付着したオイルを全て拭き取り、再度スリーブに挿し込んでから引き出してオイルの付着量を確認するという方法になります。

オイルの量を確認する場合は車体を水平にする必要があるので、水平な地面に着地させて実施します。
今回は参考のためにエンジンを始動する前にオイルの量を確認してみました。
まずはオイルレベルゲージのオイルを拭き取ります。

スリーブに挿し込んで引き出すとゲージのハイ(上限)を超えていました。

今回はオイルフィルターを交換しており、フィルター内にエンジンオイルが充填されていないことが原因です。
オイルフィルターを交換しない場合は必要ありませんが、交換した場合はエンジンを始動してオイルフィルターにオイルを充填してからオイルレベルを確認する必要があるので、オイルレベルゲージとオイルキャップが閉まっていることを確認してエンジンをかけます。

エンジンを掛けるとメーターのオイルランプが点灯しますが数秒後に消えるので、その数秒後にエンジンを切ります。(5~10秒以内で十分だと思います。)

エンジン停止後、オイルレベルゲージを拭き取って再度量を確認するとロー(下限)とハイ(上限)の間に入っていたので適量だったことがわかります。

ローとハイの間は1L弱のイメージで、不足している場合は継ぎ足して適量にします。
できればハイに近い位置に合わせる方がベターだと思います。

最終的にエンジンを掛けてもオイル漏れがないことを確認しておきます。

必要に応じて記録を残して、次回の交換時期目安をわかる様にしておくと便利です。

オイル交換頻度

オイルの推奨交換頻度は3~6ヶ月、又は走行距離3000km~5000km毎のどちらか早い方とされており、オイルフィルターはオイル交換の2回に1回交換するのが一般的と言われています。

また、オイルレベルゲージによるエンジンオイルの量と汚れの点検は日常的に行っておく必要があります。

まとめ

車種によってドレンボルトやオイルフィルターの位置やサイズ、更にオイルの充填量が異なりますが、基本的に作業内容は同じなので難しい作業ではありません。

今回紹介した交換方法は「下抜き」ですが、その他にも専用の機器を使用した「上抜き」も存在します。
またフラッシングという洗浄方法もあり、必要に応じて実施すれば良いかと考えますが、基本的に今回紹介した交換作業で良いのではないかと思います。

エンジンオイルは車の血液とも呼ばれており「潤滑」「冷却」「洗浄」「防錆」「密封」の役割があるので、車を長持ちさせるためにも、定期的なオイル交換作業を実施して常に新鮮な状態を保ちたいと思います。

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