ファンベルトのプーリー交換
ファンベルトのプーリー交換を行った際の作業記録となります。
作業を行った車両は以下です。
車両:ワゴンR
年式:平成12年
型式:GF-MC11S
エンジン型式:F6A
はじめに(交換に至った経緯)
ある日、走行中に突然ナビの画面が真っ暗になり、直後に電動パワステが効かなくなりました。
まだ走行は出来たのですぐに路肩に停車し確認を行いました。
結果的にはオルタネーターのプーリ表面に発生した錆によってファンベルトが削られて細くなりテンションが緩んだことが原因でした。
発電不足になっていたのですが、プーリ表面を滑りながら一応発電していたのでバッテリーの警告灯が直前まで光らず、事前に気付くことができませんでした。
まずは応急的にベルトのみ交換を行いましたが、1か月程度で発電不足状態になる程ベルトが削れて細くなっていました。
このままでは安心して乗っていられないのでプーリー交換を行うことにしました。
このエンジンは上記の症状が出やすい様で、対策部品のリブベルト仕様のセットも販売されているようですがリコールは出ていません。
今回は純正と同じVベルト仕様のまま交換を行います。
作業手順
今回交換するのはプーリーは下記の3種類とファンベルトです。
- クランク
- オルタネータ
- ウォーターポンプ
まずはバッテリーのターミナルを外します。
ファンベルトは2本掛けになっているので、オルタネーター側とコンプレッサー側の固定ボルトを緩めてベルトを外します。
写真はコンプレッサー側だけですが、オルタネーター側も機構は同じです。
支点と調整のボルトを緩めると、支点を中心に調整ボルトが長穴を移動することでテンションが緩みます。
ボルトを完全に外す必要はなく、緩めるだけで問題ありません。
まずはウォーターポンプのプーリを外しました。
プーリーホルダーで押さえて固定ボルト3点を外すことでプーリーが外れます。
この時プーリーホルダーをもっていなかったので、横にあいている長穴に棒を差し込み回転しないように押さえてボルトを外すことができました。
ウォータポンププーリー取り外し後のエンジン側写真です。
続いてオルタネーターを取り外しました。
固定のボルトと、B端子、コネクタを外して車体底側から取り出しました。
その際クランク近傍の配管が邪魔になるので、その配管の固定ボルト1点外して少し手で避けるとスペースが確保できました。
B端子はバッテリーと繋がっているので、作業開始時には必ずターミナルを外しておきます。
オルタネータからプーリーを外すにはインパクトを使用しました。
今回の作業に必要はありませんが、せっかくなので側面カバーを開けてみました。
取り外し後のオルタネーターの側面カバーを取り外した状態です。
左側に突き出しているボルトがB端子で、そこに繋がっている枝豆の様な形の部品が整流ダイオードです。
最後にクランクプーリーをインパクトを使用して取り外します。
タイミングベルトが見える状態になっていました。
ここからは写真を残していなかったので文章で説明します。
新しいプーリーを逆手順で組付けていきます。
オルタネーターのプーリーをインパクトで締める場合はあまり強くしない方が良いようです。
もしもオルタネーターの軸受けが故障した場合は、新品もしくはリビルト品に交換する必要があるので、その場合は下記のリンク先をご参考にして下さい。
オルタネーターとコンプレッサーでベルトのテンションを張る必要があります。
このエンジンではオートテンショナーなどは付いていないのでバール等で「てこの原理」を利用してテンションを張ります。
支点ボルトと長穴部を移動する調整ボルトで、回転動作によりプーリの位置を変化させてテンションを張る機構です。
バール等でテンションを張りながらボルトを固定します。
この作業は1人でも作業可能ですが、2人だと作業が捗り易くなります。
オルタネーターにバールを引っ掛ける際は網目状部分を避けるようにします。
その他、電装系も復旧し完了です。
無事にエンジン始動し、その後もテンションの緩みはありません。
以上となりますが、参考程度として頂き、作業は自己責任でお願い致します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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