【ラズパイピコ】Raspberry Pi Pico Wをインターホン室内機のA接点に接続して入力信号を取得する方法
インターホンが鳴った際に何かしらの信号を取ることができれば、室内機のチャイム音以外の方法でお知らせできるのではないかと思い作業を行いました。
室内機の裏にA接点の端子台があったので、そこにRaspberry Pi Pico Wの電源を接続することで、インターホンが鳴った時だけその電圧をONとして取り出すことができました。
本作業は電気的な内容が含まれているので、知識がある方や必要な資格を持たれている方が行って下さい。
感電等の危険を伴う作業が含まれます。
インターホン室内機のA接点の端子台確認作業
作業を行ったインターホンの室内機は、パナソニック製のモニター親機VL-MV38です。
その室内機を少し持ち上げて手前に引くと壁に固定されているブラケットから取り外すことができます。
ケーブルが繋がっているので無理に引っ張らないように気を付けます。
端子台を見ると「A接点出力」というものがありました。
リレーなどでA接点というと、通常は回路が繋がっておらずONした際にだけ回路が繋がるスイッチを意味することが一般的です。
ここでもそれと同じ動作になっているか確認したいと思います。
まずは安全を確認する為に電気が流れていないかを、テスターの電圧を調べるモードで確認していきます。
調べる端子はA接点出力の2点です。
待機状態と、インターホン室外機の呼び出しボタンを押した状態を確認しましたが、電気は流れていないことがわかりました。
電気は流れていないことがわかったので次に抵抗を測りたいと思います。
先ほどと同様のA接点の2ヶ所を測定します。
待機状態の際は抵抗が無限大を指しており回路が繋がっていないことがわかりました。
そして、インターホン室外機の呼び出しボタンを押した状態では抵抗値が0付近を示しており、回路が繋がっていることがわかりました。
その為、当初想定していた通り一般的なA接点の取り扱いで間違いいなさそうです。
尚、インターホン室外機の呼び出しボタンが押された場合、室内機で通話又は終了するまでは約30秒間A接点がON状態になるようです。
Raspberry Pi Pico WのGPIOに半田付けした配線でA接点に接続
Raspberry Pi Pico WのGPIOに配線を半田付けします。
使用するのは2ヶ所で、電源と入力用のピンです。
電源は3V3(OUT)に接続します。
入力用としてはどこでも良いのですが今回はGP16に接続しました。
その2本の配線の端面の被覆を剥がしてインターホン室内機のA接点に接続します。
回路を開閉するだけなので、接続先が逆になっても問題ありません。
配線を挿し込む際は端子台の上側にある凸部を押して金具に隙間を作り、凸部を離すと金具が締まり配線を固定できます。
配線処理が完了すれば室内機をブラケットに固定します。
室内機の下側に隙間があったので配線はここから外に出すことができました。
Raspberry Pi Pico Wは室内機の近傍に配置し、電源のUSBケーブルをコンセントから接続しました。
コンセントからのケーブルがやや目立っていたので余っていた補修用壁紙のシールを張り付けて目立ちにくくしました。
これでハード的な準備は完了です。
お試しソースコードでA接点の動作確認
まずRaspberry Pi Pico Wの初期設定と、開発環境のThonnyのインストールが必要です。
以下の記事で詳細を説明しているのでご参考にして下さい。
インターホン室外機の呼び出しボタンを押した際にA接点の回路が繋がるので、それを利用してRaspberry Pi Pico WのLEDが想定の光り方をするか確認するためにテスト的なソースコードを試してみたいと思います。
以下のソースコードをコピーしてThonnyにペーストして下さい。
(至らない点もあると思いますがご容赦下さい。)
import machine
import utime
led= machine.Pin('LED', machine.Pin.OUT)
sw = machine.Pin(16, machine.Pin.IN, machine.Pin.PULL_DOWN)
presw = 0
nowsw = 0
while(True):
nowsw = sw()
if presw == 0 and nowsw == 1 :
led.on()
utime.sleep(3)
led.off()
presw = nowsw
print('ON')
utime.sleep(0.5)
elif presw == 1 and nowsw == 0 :
presw = 0
print('presw = 0')
utime.sleep(3)
else:
led.on()
utime.sleep(0.5)
led.off()
utime.sleep(0.5)
print('wait')
utime.sleep(0.5)
このコードが実行されると0.5秒おきにRaspberry Pi Pico W本体のLEDが点滅します。
インターホン室外機の呼び出しボタンが押されるとLEDが3秒間点灯し、A接点の回路が繋がったことを確認することができます。
そしてA接点回路が切断されるとLEDが3秒間消灯します。
3秒間の点灯もしくは消灯の時以外は0.5秒おきのLED点滅が続きます。
A接点回路が切断される条件としては、室内機で「終了」ボタンが押されるか、呼び出しボタンを押された後30秒経過した際のどちらかでした。
想定の動作をしていたので、インターホン室内機A接点を入力信号として取り出すことができ、何かしらの通知に利用可能ということになります。
まとめ
インターホン室外機の呼び出しボタンが押されると、室内機の裏面にあるA接点の回路が繋がることがわかりました。
ここに配線を行い、Raspberry Pi Pico Wに接続することで、インターホンの呼び出しが入力信号として取り出すことができたので、何かしらの通知に利用できそうです。
Raspberry Pi Pico Wを利用して自宅インターホン呼出しをスマホにLINE通知させたので以下の記事もご覧下さい。
インターホンの呼び出し音が聞こえない場所にいてもスマホを持っていれば気付けるようになりました。
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