SK11エアダスターの引金(レバー)の戻りが悪くなった際の対処方法
エアーツールの代表的な工具であるエアダスター(エアーガン)を分解整備したのでご紹介します。
エアダスターとは、引金(レバー、トリガー)を引くことでノズルの先端からエアーを噴射させるガンタイプのエアーツールです。
通常であれば引金を引くとノズルからエアーが噴射され、引金を離すと即座にエアーが止まります。
しかし、使用期間が長くなると引金を離しても即座にエアーが止まらず、徐々にエアーが弱まってから止まる動作になることがあります。
今回の作業では、引金を引いた際に摺動する部品の抵抗を少なくすることで動作が改善しました。
エアダスターの引金(レバー)の戻りが悪くなっている状態
今回作業を行ったエアダスターは以下です。
品名:エアダスター 100mmロングノズル
型式:SAD-101
このエアダスターを、コンプレッサーにホース接続して、引金を引くことでノズルからエアーが噴射されます。
引金を引くとエアー弁に繋がっている軸が押されるのですが、引金を引いていない状態であれば軸が引金の裏面に当たっている状態になります。
問題はここからです。
引金の戻りが悪くなっていると、一度引いた引金から手を離しても軸がなかなか戻ってきません。
本来なら引金の動きに追従して即座に戻るはずです。
ここに原因があることがわかったので分解整備を行います。
エアダスターの分解整備
まずは引金を取り外します。
引金の支点となっているピンのEリング(E形止め輪)を取り外します。
今回はラジペンで押して取り外しましたが、マイナスドライバーや専用工具で取り外すことができます。
※Eリングが飛んで無くなってしまわないように気を付けましょう。
ピンが外れると引金が取り外せます。
次に引金が押していた軸を取り外します。
軸の根本にある六角を緩めていきます。
完全に外れると中からスプリングが仕込まれたエアー弁の部品が出てきました。
出てきた部品をばらすと、大きく分けて3部品で構成されています。
引金に押されていた軸が、六角の付いたスリーブに挿し込まれており、スプリングの力で戻る仕組みになっていました。
スプリングの力が弱まっているとは考えにくいので、摺動している部分の抵抗が大きくなったことが原因と考えます。
摺動部品である、軸の中央にあるOリングにシリコンスプレーを塗布して、滑りを良くしてみました。
(エアーの用途によっては安全を考慮して食品用シリコンスプレーを使用すると少し安心だと思います。)
その後は部品を逆手順で組み立てます。
Eリングはピンの段付き部に取り付けます。
今回はマイナスドライバーで押し込んで取り付けました。
組み立てが完了したので引金を数回引いてみると、レスポンス良く引金の内側にある軸が出入りしており、戻りが改善されたことが一目瞭然でした。
その後、ホースを接続してエアーを噴射しましたが、引金を戻せばすぐにエアーが止まる様になったので問題解決です。
まとめ
エアダスターを長期間使用していると、引金(レバー)の戻りが悪くなり、引金を離しても徐々にエアーが弱まってから止まる動作になることがあります。
今回は引金に繋がっている摺動部品であるOリングの抵抗が大きくなっていたことが原因でした。
今回はシリコンスプレーで応急的に改善させましたが、Oリングの劣化が影響していると考えられるので恒久的にはOリングの交換が好ましいと思います。
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